精神科を受診しようと考えた時、どんなことをされるのだろうかと不安に思う方も多いかもしれません。内科を受診した時のように症状を伝えて、医師がそれを聞きながらカルテに書いて薬を出して終わりだろうと想像されることもあります。しかし、精神科の受診は他の科とは異なります。精神科においては、精神科医の専門分野によっても変わってきますが、基本的に受診時には精神療法というものを行います。受診のきっかけとなった症状についてだけでなく、日常生活で感じている不安や発症のきっかけとなった出来事などについて傾聴し、共感やアドバイスをしてくれます。精神科の治療は薬に加えて精神療法を行うことが効果的であるとされているように、話を傾聴してもらうだけでも落ち込みの程度が大きく変わることもあります。
精神科医による精神療法は各病院によって大きく特徴が異なります。一人5分程度で行う場合や30分行う場合もあります。しかし、気持ちの落ち込みがひどくてもっと聞いてほしいという方は、臨床心理士によるカウンセリングを受けるという方法も選べます。臨床心理士によるカウンセリングは限られた病院のみで実施されていますので病院選びが大切となります。ですが、カウンセリングはより専門的により長い時間話を聞いてもらうことができます。話を共感してもらうという支持的心理療法は特に気持ちが落ち込んでいるときには効果的で、すっきりした気持ちや安心感も得ることができます。また、気持ちの落ち込み自体を減らしたいという場合には認知行動療法という介入法を使うこともあります。